ブラキシズムのいろいろな影響と弊害
2019/12/16
ブラキシズムは、歯・歯肉・歯槽骨(歯を支える骨)とその周囲の組織にさまざまな影響や弊害を及ぼします。歯や周囲の骨などが受け止める咬む力は、強い人では70kgを超えるようなとても大きな力です。
ブラキシズムの場合、その大きな力が持続的に加わるため、硬い物を食べるときのように一瞬だけ強い力がかかる場合よりも、ずっとおきな影響がでるのです。
●歯への影響
1、歯がすり減る ![]() |
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![]() また、力の影響で歯髄が死んでしまったり、歯の根の先端に炎症が起きることがあります。腫れたり、咬むと痛みが出たりします。 |
2、歯がしみる(知覚過敏) ![]() |
3、冠や詰め物がはずれる
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4、歯が割れる
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●歯肉・歯槽骨(歯を支える骨)への影響と弊害
歯周病にかかっている歯に、さらにブラキシズムによって大きな力が加わると、急速に歯肉や歯槽骨の状況が悪化することがあります。
歯周病との相乗作用
この状態を放ったままにしておくと、抜歯せざるをえなくなることもあります。
![]() X線写真 |
![]() 矢印は骨が吸収したところ |
●その他さまざまな器官への影響と弊害
ブラキシズムは、歯や歯周組織の異常だけでなく、顎の関節や顔面の筋肉などに悪影響を与えることもあり、頭痛や肩こりといった症状と関係していることもあるのです。
- 顎関節症(あごの障害)
- 口のまわりの筋肉の痛み
- あごのずれ
- 顔面の変形
- 頭痛・肩こりなど
●骨の隆起:これって歯肉の腫瘍?
下の写真の矢印部は、歯ぐきが膨らんで触れると硬く、骨ばっています。これは遺伝や咬みあわせ、強い咬合力などにより、骨が部分的に増殖したもので、上あごの中央部、下あごでは犬歯の内側付近にできることが多いようです。病的なものではないので、問題がなければ取り除く必要はありませんが、入れ歯を作るのに障害になったり、食事に影響が出るような場合には、外科的に取り除きます。
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