歯周病と全身疾患の関係
2019/12/16
歯周病の患者さんは、歯周病でない患者さんに比べ致命的な心臓発作を起こす危険が約2.8倍、早産の確率が7.5倍高いということが、最近のアメリカの研究などでわかってきました。日本人の成人の約85%は何らかの歯周病に感染しているといわれています。歯についた歯垢は細菌のかたまりです。歯垢1ミリグラムの中に約1~2億個の細菌やうみが含まれており、私たちはそれを毎日飲み込んでいることになります。
細菌は口や血管から体内に侵入する
中、重度の歯周病になっている妊婦は早産(2500g以下の低体重出産)の危険が7.5倍も高いです。しかも歯周病は、飲酒や喫煙よりリスクが高く、早産の最大の危険因子と判明。歯周病を治すことで18%の早産が予防できると発表されました。また糖尿病の患者さんは以前から歯周病になりやすいことは知られていましたが、最近は逆に歯周病があると糖尿病の血糖値のコントロールが難しくなるとわかりました。したがって、歯周病を治療すれば血糖値が下がり、糖尿病がよくなっていくという好結果につながります。また、肺炎やぜんそく等の呼吸器疾患にも歯周病がかかわっていることがわかってきました。
半年に一度は歯周病のチェックをうけましょう。
まずは、患者さんご自身のお口の中の細菌を減らすことがなにより肝心です。そのためには食後の正しいブラッシングが不可欠です。初期の歯周病は自覚症状が無く、知らない間に進行してしまいます。また、根の深いところについた歯垢は自分ではとれません。歯科医院でしかできない治療がありますので、お気軽に「歯周病の検査をしてほしいのですが」と、歯医者さんに声をかけ、正しいアドバイスを受けましょう。