なぜレントゲンを撮るのか?
2019/12/16
歯科のレントゲンでは外から見えない、いろいろな情報を得ることができます 。
虫歯は入り口が小さな穴でも中で大きく広がっていることもあります。(図1)
レントゲンでは虫歯から神経までどれだけの距離があるか、外から見えない場所(隣り合っている歯と歯の間など)から虫歯になっていないか見つけることができます。(図2)
また、根のさきに膿の存在があるか、さらにその大きさや広がりを見ます。
その他にも、歯周病の進行度を見ることができます。レントゲンによって歯を支えている骨がどの程度減ってきているかなどです。(図3)
抜歯をする時は、歯根の長さ、形、骨との関係などの確認をして安全確実な抜歯をすることができます。
お子さんの場合はこれから生えてくる永久歯の状況確認もできます。このように見えないものを写し出すレントゲンは歯科治療に欠かせないものであるといえます。
パノラマレントゲン写真
歯科医院でパノラマレントゲンを撮った方も多いと思います。
縦10cm×横30cmくらいの長方形のレントゲンです。
上あご、下あごのすべての部位を展開像として見ることができ、全部の歯とそれを支えている骨の状態を一度に診断することができます。
歯周病などの診断では連続した骨の吸収状態がよく分かります。その他、中に埋もれている親知らずも診断できます。
より精密な診断が必要なときはデンタルレントゲン(2cm×3cmくらいの写真)を追加することがあります。
歯科のレントゲンは安心です
一般的に歯科で撮っているレントゲンの撮影時にうける放射線はきわめて低く、胸のレントゲンを撮ったときの1/13と報告されています。太陽光線による放射線の量に比べても軽微だといわれています。
妊婦さんは時にレントゲンについて心配が大きいと思いますが、人間の胎児は10ヶ月間、お母さんのお腹の中で成長します。この中で妊娠初期は各器官(目や鼻など)のもとになる部分が形成される重要な時期なので、この時期はX線に対する感受性が高いのです。したがって、X線検査をするときはできれば妊娠12週以降に行うのが望ましいといえます。このように、レントゲンを撮ることによって、自覚症状のない虫歯や歯周病を発見できたり、原因がわかったり、治療の確認をしたりと診察する上で重要な材料となっています。